風にまかせてシャベリン

独学で英語を喋れるようになるための学習方法

手術を無事終えて退院できました

シャベリンです。

大腸がんのため、8/1に入院、8/3に手術して、8/12に無事退院することができました。進行度を表すステージもⅡaとⅡの中でも一番軽い状態で、腸管につながる血管、リンパ管、リンパ節への転移もしておらず、再発防止のための化学療法(抗がん剤治療)も不要となりました。また、術後の便通も良好で日々健康のありがたさを実感しながら生活しているところです。

~~ ICUでの出来事 ~~

「○○さーん、○○さーん」

誰かが耳元の近くで何度も名前を呼びかけるのが聞こえた。うっすらと目を開けると、白装束、いや白衣を着た数名の看護師さんが見えた。周囲にはお花畑も川の流れも見当たらず、ベッドの向こうには病院の事務所らしきものが見えた。そして右上の奥の方に見える丸くて白い影掛け時計の針は3:15を示していた。手術は9:00にスタートしたから6時間近く全身麻酔で意識がなかったことになる。

「数を数えますから、1の数字が聞こえたら手を握り締めてくださいね。4、3、2、1...3、2、1、4... 1が聞こえる度に看護師さんの手を握り締めた。手を握り締める度に、触れ合う手のぬくもりと自分の意志を伝えられることの喜びを感じていた。術中に長時間、酸素吸入器を喉に挿入していたため声が出ずらいからだ。そして腹部右下の傷口に少し痛みを感じていたが、やり過ごせる程度の痛みであった。多分、点滴から投与されている痛み止めが効いているのであろう。

~~ ロボット支援下手術 ~~

大腸の左下にあるS状結腸にがんが見つかったのですが、今回、このS状結腸がんの切除にロボット支援下腹腔鏡手術という最新の医療技術が適用されました。このロボット支援下腹腔鏡手術(ダ・ヴィンチ手術)は従来の腹腔鏡手術をさらに進化させ、患者の負担(侵襲)が少なくなるように開発された最新の低侵襲技術です。

ビデオカメラで体の中を観察し、鉗子と呼ばれる複数の手術器具で手術する点については、これまでの腹腔鏡手術と変わりありませんが、ダ・ヴィンチ手術では、術者が鉗子を直接握るのではなく、患者の隣に置かれたコンソール(コックピット)に座り、アームを操作することで手術を行います。術者の手の動きが、リアルタイムに鉗子先端の動きとして再現され、精密な手術が行われます。

従来の腹腔鏡手術の鉗子は曲がらないため直線的な動きしかできませんでしたが、ダ・ヴィンチの鉗子には多数の関節が付き、鉗子の自由度が上がったことにより人間の手のような複雑な動きが可能です。手ぶれ補正機能もあり、長時間の手術での手の痺れによる手ぶれも防いでくれます。

またダ・ヴィンチの特徴として3D視野(立体視)があり、右目と左目の両方から視野を得ることが可能であり、3D視野(立体視)による正確な位置情報に基づきながら、操作を行うことができます。

近年、ロボット支援下手術は、様々な臓器の手術に適用されており、2018年に「直腸がん」、2022年に「結腸がん」が保険適用となり、全ての大腸がんの患者に保険適用が拡大されました。また、健康保険には「高額療養費制度」があり、1ヵ月の医療費の自己負担額が一定額を越えた場合に、申請を行うことで加入する健康保険から「超過分」が払い戻されるのですが、さらに前もって健康保険に「限度額適用認定証」を申請しておけば、払い戻しではなく病院窓口で所得に応じた自己負担額の支払のみに抑えることができます。シャベリンも病院の方で「限度額適用認定証」の申請手続きをしていただいたので、退院時には少額の医療費の支払いのみで済みました。

~~ 一般病棟での出来事 ~~

手術とその翌日までは絶食で水すら飲ませてもらえなかったが、術後2日目に初めて流動食として「重湯」と「くず湯」をいただいた。一口飲んだ時に「なんて美味しいんだろう」という感動と共に「生きているってこういうことなんだ」って気づかされた。その後も3分粥、5分粥と段階的に流動食から粒ありの食材が増えていき、一品ずつ味わって食べる度に食べられることのありがたさとそれぞれの食材の味わい深い旨みを感じていた。

術後4日目に尿道に入っていた管が抜かれ、5日目に肛門に入っていた管と点滴も抜かれた。手足が自由になり、トイレも自由に入れて、病棟の廊下を何往復もウォーキングできるようになった。7日目には、廃液の管が抜かれて、先生から退院できることを告げられた。身体的な不自由さと食事制限から解放されて、自由に動ける、何でも食べられる、こんな当たり前の事が当たり前じゃなかったことに感動し、手術を行ってくれた先生やナースコールで呼ぶ度に文句も言わずオムツを替えてくれた看護師さんたちに感謝の気持ちでいっぱいになった。

~~ 限りある人生、悔いのないように生きる ~~

内視鏡カメラで初めて自分のがんを見たとき、正直、自分のことのように思えず、フィクションなのか悪夢を見ているのか不思議な感覚でした。思えば、年初から下痢気味ではありましたが、20代の頃にストレスからくる過敏性腸症候群も経験しているし、冬場はお腹が冷えるので還暦を過ぎたのだから仕方ないかくらいに考えていました。

大腸がんの発生要因と考えられている、喫煙、飲酒、赤身の肉を食べるなどのどれにも当てはまらず、肥満も3年前に睡眠時無呼吸症候群CPAP(吸入器)による治療で84kgから74kgまで減量させており、該当するのは運動不足くらいです。自覚症状もほとんどなく最近になって下痢を繰り返したり便が細いことに少し違和感を感じていたくらいでした。

今回、近隣の消化器内科で初めて内視鏡カメラでの検査を受けたとき、血液検査の結果も合わせて出たのですが、血糖値が300を超えていて糖尿病にもかかっていると診断されました。ただ嬉しいことに入院期間中に血糖値は110以下の正常値に戻っていました。糖尿病があるとがんにかかりやすくなるそうですが、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが低下すると、それを補うために血中のインスリン濃度が高くなり(高インスリン血症)、がん細胞の増殖を促す作用があるそうです。肥満や運動不足によっても高インスリン血症が引き起こされるのでこれが要因になっているのかもしれませんね。

自分の目には見えないところで密かに増殖し、自覚症状もほとんどなく、症状が出たときには手術でしか切除できない進行がんになっていて、リンパ節やその他の臓器に転移していれば、5年以内の生存率が著しく低下する大腸がん。

生まれて初めて手術を経験して人生は限りがあるんだと痛感したし、日々健康に暮らしていけることのありがたみを感じています。そして、明日何が起こっても、やり残したことがないと思えるように、楽しく、面白く、チャレンジしたり、笑ったり、泣いたり、感動したり、人々と触れ合ったり、過去を振り返ることもなく前向きに精一杯生きていこうと思っています。


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大腸がんが見つかりました

シャベリンです。

久しぶりの投稿ですが、皆さんお変わりありませんか?

今回から、タイトルを「英語でシャベリン」➡「風にまかせてシャベリン」に変更します。カテゴリーにとらわれず、いろいろと書いていくつもりです。

~~ 消化器内科での出来事 ~~

「これは、大腸がんだね。腸管の断面の3/4くらい占めているけど。」

内視鏡カメラ(いわゆる大腸カメラ)で撮影された直後の自分の大腸内部の「がん腫瘍」の写真を見せられた瞬間、急なめまいと冷や汗が出てきて、診療室のベッドに倒れこむように寝ころんだ。大腸内部をクリアに撮影するため、朝から下剤を飲まされて脱水状態だったせいなのか、もしくは写真を見て恐怖心を感じたせいなのか、いずれにしてもしばらくベッドで安静にしていたら血圧も元に戻り平常心を取り戻した。

「迷走神経反射だね。脱水状態だと起こりやすいね。」

痛みや恐怖心などのストレスで自立神経のバランスが崩れると、心拍数が減少したり、血圧が低下したりして一時的に脳への血流が減少し、めまい、冷や汗、失神などを引き起こす迷走神経の反射的な働きだそうだ。

「大腸がんの組織を採取したからね。こちらで検査結果を待っていると遅くなるので、総合病院に結果を送るから、そちらでさらに精密な検査を進めてください。」

Is this the real life ?
Is this just fantasy ?
Caught in a landside,
No escape from reality

これは現実?
それとも幻覚?
地滑りに巻き込まれて
現実から逃れられない

イギリスのロックバンド、Queen(クイーン)の代表曲、ボヘミアン・ラプソディの歌詞の冒頭の部分だ。先生のお話しを聞き終えてから支払いを待っている間、なぜだか、この歌詞がメロディーと共に頭の中を流れてきた。

昨年の春に定年退職してまだ1年くらいしか経っていないのに。会社の束縛から解放されてボヘミアン(放浪民)のように自由気ままに生きていたいだけなのに。

Nothing really matters
Anyone can see
Nothing really matters
Nothing really matters to me
Any way the wind blows

たいしたことじゃない
誰でも分かるさ
たいしたことじゃない
たいしたことじゃないんだ 僕にはね
いずれにせよ風は吹くのさ

~~ 総合病院外科での出来事 ~~

生まれて初めて、高度医療が受けられる総合病院を訪ねた。いろんな診療科に分かれており、検査室も細かく分かれている。血液採取から始まって心電図、胸部レントゲン、CT検査、胃カメラ、大腸カメラ、注腸検査等、一通りの検査を受けた後に、担当の外科医から診断結果の説明を受けた。

「消化器内科から送られてきた組織の病理検査の結果、大腸がんであることが確定しました。また、今回の検査の結果、進行状況としては、腸管の外側の壁近くまで来ており、近くのリンパ節に転移している可能性もあるので、ステージⅡからⅢの間くらいですね。」

「大腸がんの切除は、最近、保険適用になったロボット支援の腹腔鏡手術で行います。手のように自由に曲げることができる鉗子と手振れ補正機能があり、精度の高い操作ができる手術なので安心してください。」

最近までずっと自覚症状もなく、5月中旬に初めて血便が出たときも、近くの内科で「感染性胃腸炎」と診断され、抗生物質を1週間飲んだら血便も出なくなったので安心していました。しかし、6月中旬からまた下痢が頻繁に出るようになり血便も出たので大腸カメラの検査を受けることにしたのです。本当に人生って何が起きるかわからないものですね。

定年後に中古クラブ4本(1W, 7I, PW, PT)買って、独学で練習を始めたゴルフも安定して球が真っ直ぐ飛ぶようになり、5月末には新品のゴルフクラブセットをネットで購入したばかりで、これから本格的にコースデビューしようと思っていた矢先でした。

一度はゴルフコースでドライバーを打ってみたかったので、先週と今週、初めてミドルコースを一人で回りました。300ヤードのホールが3ホールあるのですが、どれも真っ直ぐに高い軌道で200ヤードくらいまで飛ばすことができました。アプローチでグリーンにのせることもできてゴルフって本当に楽しいなって実感したところです。初めてのラウンドだけどダボペースで回れて自信となりました。

来週、8月初めから総合病院に入院して手術の予定です。この続きは退院後に調子が良くなったらまたレポートするね。


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Go To 選挙(あなたの一票が日本を変える)

英語でおしゃべり大好きシャベリンです。

久しぶりの投稿になりますが、皆さんお変わりありませんか?

シャベリンは、コロナウィルスワクチンの2回目の接種を数日前に終えたところで、これから本格的にアウトドアな活動を再開しようと思っています。還暦なのに「えっ、今頃?」って思われるかもしれませんね。実のところ、接種券は7月初めに届いていたのですが、真夏に副反応で熱が出たら嫌だなと思っていたのと、ワクチン戦術一本足打法の政府への不満と反骨精神から接種を敬遠していました。さすがに第5波の勢いに恐怖を感じてきたので接種することを決めたのですが、2回目の接種で微熱すら出なかったことは幸いでした。

最近、コロナウィルスの感染者数が激減して緊急事態宣言も解除されましたね。でも皆一様に警戒しているのか、それとも習慣化された日常なのか、相変わらずどこへ行っても皆さんマスクを着用しており、顔の表情から感情が読み取れず、誰もがピエロの如く嬉しいのか悲しいのか分からないって、なんかリアル感のないバーチャルな世界みたいで虚しいですよね。

今回は、10/31に投開票が行われる衆議院選挙に向けて、皆さんに今一度選挙に行くことの大切さを伝えたくて記事を書きます。シャベリンがここで声を大にして言いたいことは、「あなたの一票が日本を変える!」ってことです。

◆コロナ対策に対する審判

皆さん、政府のこれまでのコロナ対策に満足していますか?

アベノマスクは必要でしたか?一時的な品不足だったにせよ日本人全員に配布する必要があったのでしょうか?アベノマスクよりむしろ感染者数の多かった地域に限定して抗原キットを配布して感染者を隔離すれば感染拡大を封じ込められたのではないでしょうか?

Go To トラベルはやる必要がありましたか?第3波の引き金になったと思いませんか?結果として感染が拡大したため観光業界を長期に渡り苦しめることにつながったと思いませんか?

ワクチン接種を全国の高齢者に優先して接種すべきだったのでしょうか?離島にまで渡って高齢者に接種するより、ビジネス上で人的交流の多い都心とその近郊や北海道や沖縄など観光地を優先的に接種すべきだったのではないでしょうか?四国の愛媛県のように比較的人口の少ないところでも感染者が多かったことから考えても感染の拡大範囲をある程度予測できたのではないでしょうか?

デルタ株による第5波の感染爆発を予測できていたのに東京五輪を強行開催すべき必要はありましたか?国内経済に寄与することもなく世界中の人たちとの交流もできずTV観戦だけで応援する気持ちになれましたか?レジャー施設の休業、コンサートやお祭り等のイベント中止など国民のささやかな楽しみすら奪われていたのに東京五輪だけ例外っておかしくないですか?いったい誰のためのオリパラだったのでしょうか?

そして自宅療養で満足な治療も受けられず亡くなられた方を含め、東日本大震災の死者数を上回る18000人もの方が亡くなられたのに平和の祭典ってどこまで脳天気なのですか?第5波の波は東日本大震災津波に匹敵するくらいの甚大な被害を招いた災害だったのに。

アベノミクスに対する審判

確かにゼロ金利政策や異次元の金融緩和、財政出動などで一定の成果があったとは思いますし、株価の上昇や失業率低下には寄与したのかもしれませんが、一般庶民の目線から見たら何の恩恵も受けていませんね。大企業の内部留保は増大しているのにも関わらず庶民の給与は下がるばかり、非正規社員が労働者人口の40%も占めて、銀行にお金を預けても利子は限りなくゼロ、クレカでポイ活をせっせとやっていることに虚しさを感じませんか?

金融緩和や財政出動などお金をばらまく政策ばかりで、何か成長戦略に関して成功したものがありますか?例えば、今頃、半導体事業は経済安全保障の観点から重要だからって台湾のTSMCを熊本に誘致するのに5千億円の資金支援を出すのって対応が遅すぎませんか?80年代に世界のトップを独占していた半導体メーカーを国家戦略として守り通すこともせず、なぜメーカー任せにしてきたのですか?太陽光パネル半導体を使用していますが、こちらも自動車メーカーと同様、半導体の不足で減産を余儀なくされてきています。隣の台湾は世界No.1の半導体工場やデジタル技術があるからこそ米国は経済と軍事協力を行い中国の侵略を阻止する必要があるのです。

これからの産業をけん引する
デジタルトランスフォーメーション(デジタル技術による生活やビジネスの変革)や脱炭素社会に向けた太陽光発電などの自然エネルギー、人手不足の日本において自動運転による交通革命やロボットによる生産革命に必要不可欠な半導体事業への投資を十分してこなかった政府なのに、使用済み核燃料を再利用する高速増殖炉もんじゅ」には1兆円も投じてきました。いち早く再生可能エネルギーに投資をシフトしていたら今頃、脱炭素社会で世界をリードすることができたかもしれません。

また、国家プロジェクトとしてリニアモーターカーを東京から大阪まで走らせる必要があるのでしょうか?莫大な予算をかけて、新幹線より1時間くらい速く到着することに何の意味があるのですか?東京、名古屋、大阪だけ人的交流が増えても素通りされる地域の経済に何のメリットがあるのでしょうか?

これからは、5G技術とリモートワークで遠隔からでもリアルタイムで臨場感のある会議ができたり、ロボットや設備を操作したり、接客サービスができる時代です。物流や人の移動に何の意味があるのでしょうか?大都市圏ではなく、むしろ地域経済圏の特性に合わせて
地産地消を促進するために産官学の連携によるベンチャービジネスの育成やスマート農業へのデジタル技術の活用などに予算を投入すれば各地域の産業育成や雇用の増加にもつながるのではないでしょうか?「脱炭素社会」に向けて物流コストを下げながら地域の産業を守る「地産地消少子高齢化ジェンダーフリーに対応した働き方改革につながる「デジタル変革」組み合わせを促進するために予算を投じるべきではないでしょうか?

◆与党が
過半数を割るだけで政策は変わる

今回の選挙では野党共闘により213の議席で候補者の一本化を実現させており、小選挙区で勝てる可能性の高い選挙区が非常に多いので、与党を過半数割れに追い込むことは可能です。政府のこれまでの政策に不満のある方は、小選挙区比例区のどちらにも反対票を投じるだけで倍返しできます。大手企業中心の経団連や高齢者が後押しする現政権にあなたの未来を託しても大丈夫でしょうか?非正規社員ばかりで安定した生活を過ごせず夢を描けない若者ばかりの社会にしてもよいのでしょうか?日本の未来は若者が担っていくのに高齢者の年金や医療の負担を若者に押し付けて、奨学金を借りて大学を卒業しても正社員にすらなれない社会っておかしくないですか?

学校のいじめ問題や企業内のパワハラや自殺、官僚、政治家の汚職も全て、変化を好まず他者と同調し権利を主張しない日本人の気質が影響していると思います。

川の流れをせき止めると生物が住めない汚水になるように、学校も会社も行政機関も常に刷新し変化させ続けないと国民全員が泥水を飲まされることになります。活動の自由を制限され、ワクチンの接種まで協力して東京五輪を開催してきた現政権をあなたはこれからも信頼し続けるのでしょうか?

あなたが
投票しないと「政治家ガチャ」で勝手に未来が決まってしまいます。
あなたには未来を選ぶ権利があるのです。あなたが未来を変えるのです。

あなたの一票が日本を変えます。

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悲しみは雪のように

J-POP大好きシャベリンです。

今回は、浜田省吾の「悲しみは雪のように」です。

日本では、ここ数年、非正規雇用者の同一労働同一賃金問題や労働者の最低賃金引き上げ問題が盛んに取り上げられるようになってきましたね。

シャベリンも55歳から5年間、派遣社員で働きましたが、低賃金でボーナスも無く、実績を残して評価されていても会社都合で手のひらを反すように3年で契約解除された経験を持つので、本当に生きづらい世の中になってきたことを実感しています。

そんな正規社員と非正規社員の「働き方」の違いを「アリとキリギリス」をモチーフにしたライトノベルとして執筆しました。この楽曲は、誰でも孤独で悲しみを抱えているときこそ互いに支え合って生きていくことの大切さを実感させてくれますね。

~~~ ある夏の日 ~~~

それは、ある夏の日の出来事。

キリギリスが路上で歌を歌っていると、ネクタイを巻いて黒い鞄を持ったアリたちがぞろぞろと歩いてきました。

「やあ、アリ君じゃないか。そんなにびっしょり汗をかいて、何をしているんだい?」

「久しぶりだね、キリギリス君。僕たちは、お仕事で顧客を一軒ずつ訪問しているところなんだ。」

「ふーん。このくそ暑いのにご苦労様だね。ここは都会でバイトもいっぱいあるのにね。お金が欲しけりゃ、適当にバイトでもして、それ以外は、楽しく歌を歌ったり、遊んだりしてればいいじゃないか?」

「今は景気が良いから仕事がたくさんあるけど、不景気が来たら、都会でも仕事がなくなるよ。今のうちに仕事で稼いでおかないと、あとで困るよ。」

「ハッハッハッ」

「こんなに景気が良いのに。そんなの不景気になってからまた考えればいいじゃん。」

アリは、都内の中小企業で働くサラリーマン。子供の頃から両親に「良い大学を出て、良い企業に勤めれば、一生安泰だから」って言われ続けて、親の期待どおり、都内の大学を卒業し、正社員として中小企業に就職。結婚して、子供もできて、マイホームのローンも支払いながら、仕事一辺倒の毎日を過ごしている。特にやりたい仕事ではないけれど、マイホームのローンやこれからの子供の教育費を考えると我慢するしかないと思っている。本当はキリギリス君のように、たまにはライブで歌を歌ってみたり、取引先との接待ゴルフではなくて、気ままに楽しくゴルフざんまいもしてみたい。

キリギリスは、バイトで生活ギリギリのストリートミュージシャン。若い頃からスポーツ万能で、皆から注目される存在だった。幼い頃からプロのサッカー選手を目指していたけれど、足のケガで結果を残せなくなってから自暴自棄になり、就活もしないまま、路上で好きな歌を歌っている。本当は、アリ君のように安定した職業について、家族やマイホームも持ちたいと考えているけど、それはかなわぬ夢だと思っている。

元々、二人は近所に住む幼なじみで、一緒に泥んこ遊びや秘密基地ごっこもするほど仲の良い友達だったけど、今ではLINEすら交換していなくて、それぞれ別々の道を歩んでいる。

~~~ 木枯らし吹く頃 ~~~

秋の実りの収穫も終わりに近づき、冷たく乾いた木枯らしが吹き始めた頃。

キリギリスはあいも変わらず、路上で歌を歌っていた。時々、立ち止まって聴いてくれる人も少しはいたが、大半は、そそくさと忙しそうに前を通り過ぎていくだけだった。

キリギリスは、そんな人混みの中、眉間にしわを寄せて通り過ぎていこうとしているアリたちを見かけた。今度はとても重そうな荷物を背負っていて見るからに苦しそうだった。

「また逢ったね、アリ君。今度は何か重そうな荷物を背負っているけど、何を運んでいるんだい。」

「お客さんのところで使ってもらっていた製品にトラブルが発生して、今すぐ新品を届けろって言われたからさ。大至急でお客さんのところへ向かっている途中なんだ。」

「そんなの配送業者に任せればいいのに。営業ってそんなこともやらされるのかい?」

「うちは中小零細の下請けだからさ、大手企業からの要請は断れないよ。」

「そんなに頑張って働かなくてもさ。そりゃ、アリ君は、家族持ちだからバイトだけでの生活は難しいかもしれないけれど、与えられたミッションだけやればいい派遣って働き方もあるよね。」

「キリギリス君はいいよね。独身貴族だから。僕はマイホームのローンがまだ30年近く残っているし、子供の大学進学に向けての教育費とか考えると、会社都合でいつでも契約解除される派遣社員なんて選択はないよ。とにかく頑張るしかないんだ。」

アリは、キリギリスの言葉に反発するかのように強い口調で答えると、苛立ちを隠せないまま逃げるようにその場を立ち去ってしまった。

アリは、10年前に過労死で他界した父さんの事を思い出していた。父さんは亡くなる前日まで、つらそうなそぶりを一切見せることなく黙々と働いていた。自分が奨学金を借りることなく大学を卒業し正社員で会社に就職できたのも父さんが頑張って働いてくれたおかげだ。だから自分も子供たちが奨学金を借りることなく大学を卒業する日がくるまで頑張らないといけないんだ。

キリギリスも、本当はバイト収入のみでの生活はギリギリだった。連日、ラーメンにもやしを入れただけの簡素な食事が続いていたが、シンガーソングライターとしてデビューして、いつかサッカー選手の仲間たちを見返してやりたいって思っていた。

そして、あの日が突然、何の前触れもなく訪れた。

アメリカで低所得者向けに融資されていた住宅ローンが焦げ付いて大手投資銀行リーマンブラザーズが9月中旬に経営破綻し、世界的な株価暴落をもたらした金融危機、いわゆるリーマンショックってやつだ。1か月後には、日経平均株価も1万2000円から6000円まで暴落。年末には、非正規雇用の契約を更新しない「雇い止め」や、派遣社員などの契約を打ち切る「派遣切り」などが行われ、会社の寮を出なければいけなくなった人たちが東京・日比谷公園に設けられた「年越し派遣村」に炊き出しを求めて集まった。これは、その後、元の水準に戻るまで5年近くを要した大不況の始まりであった。

~~~ 悲しみは雪のように ~~~

その日は、朝から霜が降りて、凍てつくような寒さだった。

キリギリスは、時折吹いてくる北風に舞い散った枯葉を踏みしめながら一歩ずつ重い足取りで救援所に向かっていた。街路樹に飾られていたクリスマスのイルミネーションも何事もなかったかのようにすっかり取り外されていて、通りにいる人々も一様にうつむき加減で歩いているように見えた。やっとの思いで現地に辿り着いたときには、炊き出しを求めて集まった人々ですでに長い行列ができていた。白い吐息が連なるようにテントの辺りまで続いているのをぼんやりと見つめながら、ひたすら順番が回ってくるのを待つしかなかった。

バイトの契約を解除されてから、早くも1ヵ月近くが経とうとしていた。他のバイトも探してみたが、不景気の真っただ中で、バイトを雇う余裕のある会社など一切見当たらなかった。貯金もだんだん底をつき、数日前にアパートを出てから、ネットカフェで寒さをしのぐ日々が続いていたが、いよいよそこも出ざる負えない状況になってきた。

その日は何とか炊き出しで空腹を満たすことはできたが、寝泊りする場所は見当たらなかった。辺りはだんだんと日が暮れていく中で、キリギリスは、行く当てもなく、見慣れた道をぼんやりと記憶をたどるように歩き続けていた。そしてふと我に返るといつの間にか実家の前に立っていた。

半ば喧嘩別れのような状態で家を飛び出してからもう10年間近くが経っていた。ためらいながら何度もドアのチャイムを押そうと試みたが、どうしても押すことができなかった。実家に助けを求めて戻ってしまえば、今まで追いかけてきた夢も全て消え去ってしまうことが怖かった。

実家の前を素通りして、そのままとぼとぼと歩き続けていると、近所に住んでいたアリの実家を思い出した。確か橋を渡った向こうの川沿いにあるトタン張りの平屋だったように記憶している。記憶を頼りにその場所を訪ねてみると、真新しい2階立ての一戸建て住宅が立っていた。最初は少しためらったが、意を決してドアのチャイムを鳴らしてみた。

「アリ君、僕だよ。キリギリスだよ。連絡も取らずに突然、訪問してごめんね。」

「キリギリス君、どうしたんだい。何かあったのかい?」

「実は、バイト先をクビになっちゃってさ。行く当てもなくてね。今晩、泊めてくれないかな。」

アリは、一瞬、困惑したけれど、少し時間をおいてから呆れた様子で怒りを吐き捨てるように答えた。

「ちょっと都合が良すぎるんじゃないかな。夏に会ったときは、僕が汗だくで営業活動をしていても君は笑い飛ばしていたよね。秋に会ったときは、派遣もどうかなって僕に勧めたよね。今頃、助けてくれって、自業自得だろ。」

「あの時は、ごめん。確かにアリ君の言うとおりだよ。」

キリギリスは、悲しそうなそぶりを見せながらも、その場を立ち去るしかなかった。

アリはすっかり気分が滅入っていた。久しぶりに訪ねてきた友だちにあんな言葉を吐いてしまった自分を責めていた。自分を頼って訪ねてきたキリギリスに闇雲に怒りをぶつけて追い返してしまった。

子供の頃、貧乏な家庭で育ったアリは、肌の色や着ていた服などの容姿のことで、いつも仲間にいじめられていた。そんなとき、キリギリスはいつも盾になってアリを守ってくれていたのに。

日もすっかり暮れて夕闇の静寂が忍び寄る中、アリが窓の外にふと目をやると、しんしんと雪が降り始めていた。そして、ぼんやりと庭の柿の木に雪が降り積もるのを見ていたら、なぜだか懐かしいメロディーが頭の中を流れ始めた。それは、父さんがカーステレオで冬になると必ず聴いていた浜田省吾の「悲しみは雪のように」だった。

浜田省吾 Official Youtube Channelより>

youtu.be


いたたまれなくなったアリは、焦ったように急いでドアを飛び出すと、微かに聞こえるギターの音色を頼りに、辺りを必死に探し始めた。そして近くの公園のベンチで独り佇んで座っているキリギリスを見つけた。

「キリギリス君。さっきはごめん。ずいぶん酷いことを言ってしまって。」

「アリ君、探してくれたんだね。こんな僕なんかのために。酷いのはむしろ僕の方さ。
アリ君は、いつも家族のために一生懸命働いているのにさ。
僕なんか自分勝手で夢ばかり見て、アリ君の苦しみに気づいていなかったなんて。」

「そんなことないよ。
キリギリス君がずっと夢を追い続けていたから、僕もここまで頑張れたんだ。
僕は、父さんの夢をかなえることができたから、今度はキリギリス君の番だよ。」

「アリ君・・・(泣)。ありがとう。」

終わり(Fin.)

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シャドーイングで英語耳をアップデート

英語でおしゃべり大好きシャベリンです。


5月中旬に梅雨入りしてから2ヵ月近くも続いてきた長雨もいよいよ峠を越えそうで、時折からっとした空気からまるで夏の始まりを告げるように差し込む朝の日差しに少し面食らってしまうこの頃ですが、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。本当は、スカッとした気持ちで遊びたいけど、コロナも第5波の山が迫りつつあり、本日、7/12から東京都に4回目の緊急事態宣言も発令されて心はまだ曇り模様です。今では緊急と言う言葉も安心・安全と同じくらい重みのない言葉に変わってしまいましたね。東京五輪も当初の予想通りほとんどの場所で無観客開催となりすっかりシラケムード。一方、海の向こうの大リーグでは、マスクなし、超満員の観客で連日Sho-Time。大谷選手が、シーズン半ばで33号のホームランを放ち、投手でも4勝目、前人未到、異次元の二刀流で大活躍しているのとは対照的ですね。 


というわけで、最近は、NHK-BSの大リーグ中継で、LAエンゼルスの試合を見るのが楽しみなのですが、先日、大谷選手のファンへのインタビュー映像を見てたら簡単な語彙と英文構造で話しているはずなのに、ときどき聞き逃すことがありました。会社を退職してから、英語を全然聞いたりしていなかったからかもしれませんが、やはり英語耳がアップデートされていないことが原因じゃないかと思います。ネイティブの人たちは、通常、カジュアルな省エネ発音のままノーマルスピードで話しているので、聞き取りづらいことがありますね。海外ニュースの場合ならアナウンサーの発音もクリアで、語彙や英文構造もカテゴリー毎にだいたい決まっているので知らない単語がたまに出る以外は聞き逃すことは少ないですけどね。


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ネイティブ英語の『聞き取り』と『意味理解』ができないのはなぜ?

  • 皆さんは「聞き流す」だけで英語が聞き取れ、意味が理解できるようになると思いますか?
  • 週1回の英会話学校や30分程度のオンライン英会話だけでどれだけ聞き取れ、意味が理解できるの?
  • ニュースを聞いたり海外ドラマを見続けるだけで聞き取れ、意味が理解できるようになるのかな?

脳内データベースの音声語彙が不足している

中学、高校時代の語彙暗記と英文読解をとおして文字語彙(文字を見れば分かる語彙)は脳内データベースに十分あるのに音声語彙(音声を聞けば分かる語彙)に関しては語彙数が圧倒的に不足しています。音声と文字のリンクができていないからです。幼少期から海外で暮らしていた帰国子女とかなら学校や近所の友だちとの会話を通して、自然と音声のみで(文字すら知らなくても)理解できる音声語彙が脳内データベースにあると思いますが、子供の頃から簡単な英会話のトレーニングも受けていない純ジャパの日本人にはリスニングだけで聞き取れる音声語彙は少ないです。

英語特有のイントネーション、アクセント、リズムが身についていない

単音の母音や子音、単語レベル、音声変化の発音練習は、一週間くらい続けるだけでも効果がありますが、英文レベルになると英文構造の把握に加えて英語特有のプロソディ(イントネーション、アクセント、リズム)を身につける必要があります。英語の発音も口の筋肉を使った「運動」のひとつなので、英語特有のプロソディは繰り返し反復して発声しないと聞き取りは難しいです。

英語を英語の語順のまま理解できていない

英文読解の『訳読』による返り読みの弊害のため、ネイティブのスピードで英文をリスニングすると英語を英語の語順のまま理解できないことがあります。正確な発音や英語特有のプロソディが身について、最重要英単語の音声語彙が身についていれば、『音声知覚』のための『英語耳』が十分に機能するので、『意味理解』のための『英語脳』(英語の思考回路)による処理ができるようになります。

ネイティブ英語『聞き取り』と『意味理解』のカギ

それは、シャドーイングです。


シャドーイングは、シャドー(影)という言葉通りに、英文のスクリプト(文字)を見ないで、読まれた英文に少し遅れて影についていくように発声していくトレーニング方法です。プロの同時通訳者がトレーニングに使う勉強法でもあります。

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リスニングが向上する

英語の音声の特徴を自身で再現できるようになることで、英語の『音声知覚』が鍛えられ、リスニング力が向上します。内容の『意味理解』も意識してシャドーイングすれば英語を英語のまま理解できるようになるため、リスニング力はさらに向上します。

発音が向上する

シャドーイングは聞こえてくるままに音声を復唱するので、英語の発音に加えて英語特有のプロソディの聞き取り練習としても効果的です。結果として発音も向上します。

スピーキングが向上する

シャドーイングすることにより『音声知覚』と『内容理解』がつながり、英語での反応スピードが向上します。そして、定型文やお決まりフレーズなどがスムーズに発話できるようにもなります。

おすすめトレーニン

使用した教材

  • 『15時間で速習 英語耳』

レーニング内容

  12分・3カ月(週6日)
  2例文✕6分(1例文・10回/2分✕3セット)
  1セット目:リスニング(脳内ディクテーション:聞き取れない箇所を脳内で書き出す)
  2セット目:オーバーラッピング(気づき:スクリプトを見て聞き取れない箇所に気づく)
  3セット目:シャドーイング(定着:聞き取れない箇所を発話して定着させる)

この方法を試した理由

今まで発音練習とオーバーラッピングだけでも十分ビジネスで使える英語を身につけられるようになったことや、過去に何度かシャドーイングを試してみてハードルが高かったので敬遠していましたが、シャドーイングが効果の高いトレーニング方法であることは知られており、最近のコーチング型英会話スクールでも紹介されているため、一度やってみようかなと思っていました。そして、初春の頃、たまたま書店で『英語耳』でおなじみの松澤喜好先生の著書『15時間で速習 英語耳』を見かけたので試してみようと思ったからです。実際にやってみると頻出英単語1660語の中にまだ聞き間違える箇所があることに改めて驚かされます。今回トレーニングを行ってみて、はっきりとした効果を感じているので皆さんにもおすすめしたいです。


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